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全国地理教育学会は平成１９年１１月に、２つの設立理念のもとに発足いたしました。１つは、地理教育研究を専門とする学会であること、他の１つは、現場の教員による実践的研究を大切にするという点です。この理念のもとに地理教育の理論的・実践的研究を推進し、平成２８年度（２０１６年度）には１０周年を迎え、大きく躍進いたしました。
その躍進の跡を簡単に振り返ってみますと、会員数は学会設立時７３人が、平成２８年度現在１４０人以上とほぼ倍増し、大会を１０回、例会を１７回、巡検を１５回、日本地理かるた競技大会を２回、開催いたしました。年２回刊行の学会誌『地理教育研究』は通算１９号を数え、掲載論考は１９冊合計で論文７８本、短報等７５本、計１５３本に達します。内容的には巡検学習論、地歴連携学習論、地誌学習論などの論考が比較的多く、本学会の特徴をなすものになっています。本学会委員が関係した単行本刊行としては、『巡検学習・フィールドワーク学習の理念と実践−地理学習におけるワンポイント巡検のすすめ−』（古今書院 ２０１２）、『地理教育研究の新展開』（古今書院 ２０１６）などがあります。平成２５年には「全国地理教育学会中国四国支部」が発足いたしました。本学会には２年に１度、学会賞の表彰があり、これまで、優秀賞７名、特別功労賞２名、功労賞２２名が表彰されています。
このように本学会は１０年間に大いなる躍進を遂げましたが、それは会員・賛助会員の皆様のご協力・ご支援に支えられたものであり、１０周年を機に、皆様に心から感謝し、御礼を申し上げたいと思います。
今後も、２つの理念のもとに理論的・実践的研究を推進し、わが国地理教育の発展のために積極的に活動を展開していきたいと思っております。多くの皆様のご入会と一層のご支援を心よりお願い申し上げます。
平成２８年１１月
全国地理教育学会会長 山口幸男（群馬大学名誉教授）
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